センター長あいさつ

萩市特産の夏みかんは明治初年に全国で初めて萩市で栽培され、長く萩市民の経済を支えてきました。城下町の面影を残している土塀、その土塀からのぞく夏みかんは萩の情緒を感じさせる風景となり、萩市のシンボル的な作物になりました。また、“萩城下町の夏みかんの花”のかおりは山口県では唯一、環境省選定「かおり風景100選」に選ばれています。
しかしながら、近年になって柑きつ栽培が衰退してきており、このままでは萩市のシンボルが無くなってしまう恐れが出てきました。
そこで、萩市は特産の夏みかんをはじめとする柑きつ類の一層の産地形成を図るため、平成21年4月1日に柑きつ栽培の担い手育成の拠点として「萩夏みかんセンター」を開設しました。
現在、担い手を育てるために定年帰農者等を対象とした「柑きつ長期講習」会を開催するとともに、新規就農希望者を対象とする2年間の研修も始めました。
また、夏みかん等の出荷期間中に消費宣伝活動をしております。
今後、これから育つ研修生や意欲のある生産者からなる「農業生産法人」を設立し、センターを生産拠点として有効活用するとともに、夏みかんに関する情報収集や発信に努め、夏みかんのことならセンターに問い合わせたら全て分かるというような施設に整備します。
また、センター内に育成されている貴重な夏みかんの品種を保存するとともに、萩市のシンボル的な作物を残すために苗の提供(苗木販売は現在取り扱いなし)やこれを活用した加工品開発等を目指していきます。

センターの運営方針・役割

運営方針

全国的な知名­­度を持つ「萩の夏みかん」が、耕作者の高齢化や後継者不足のため近年生産量ならび品質とも低下し、耕作放棄された放任園が増加しています。夏みかんは、萩市の歴史・観光にとっても重要な作物であることから、柑きつ生産の担い手を育成し放任園を解消する必要があります。
また、萩夏みかんブランドの再生を図るため、萩市産柑きつの情報発信や新たな需要の創出を喚起する必要があります。
このことから、山口県萩柑きつ試験場の施設を活用し、萩夏みかん産地と萩夏みかんブランドを再生する拠点として、萩夏みかんセンターを運営していきます。

役割
  1. 定年帰農者等を対象とする栽培技術講習会を開催するとともに、新規就農希望者を研修生として迎え、2年間の研修後就農できる体制づくりをサポートします。
  2. 流通対策として、平成21年3月に設立した「萩・夏みかん再生地域協議会」に協力し、観光都市萩の知名度を活用した消費宣伝活動を行います。
  3. 相談窓口の設置やホームページを開設し、萩夏みかんセンターを柑きつの情報発信拠点とします。

センターの沿革

昭和26年 萩市が萩市柑橘試験場を堀内に設置
昭和39年4月 山口県農業試験場 萩夏柑分場を現在地に設置
昭和47年4月 山口県農業試験場萩柑きつ試験場に名称変更
平成19年4月 山口県農林総合技術センター萩柑きつ試験場に名称変更
平成20年4月 山口県が山口県萩柑きつ試験場を廃止
試験場機能は山口県柑きつ振興センター(周防大島町)に統合
平成21年4月 萩市が施設の譲与を受け、萩夏みかんセンターを設置